先日行われたラージヒル団体でも6位に終わり、日本ジャンプ陣はトリノ大会でのメダルはなりませんでした。日本のお家芸、「日の丸飛行隊」と呼ばれたのは、過去のものとなりつつあります。一体なぜなのでしょうか?
低迷の最大の理由としてあげられるのが、ルール改正です。
ルール改正のポイントは
①板の長さに関するルール:身長+80cm→身長×148%
②ウエアに関するルール
の2つが主です。(
詳しくはここを)
確かに板のルール改正によって、
岡部選手(165cm)の場合、は4cm板の長さが短くなり
180cmある選手は、6cm長くできる計算になります。
今季(05/06シーズン)のW杯ランキングの上位20名を見ると
ほとんどの選手が180cmを超える選手ばかりです。
170前半の選手は日本人選手とマリシュ(ポーランド)くらいです。
ウエアの変更によって、それまで培ってきた技術では
従来の飛行ができなくなったこともわかります。
でも、ルール改正が日本ジャンプ陣低迷の理由なのでしょうか?
果たして日本スキー連盟のバックアップ体制は万全だったのでしょうか?
世代交代の遅れがここ数年言われ続けていますが
若手の育成は進んでいたのでしょうか?
全日本スキー連盟(SAJ)の日本のナショナルチームのメンバーを見ると
全選手(24選手)の平均年齢は26歳です。
30代の選手が6人、20代後半の選手が8人います。
20代前半の選手はランクCに集中しています。
海外の選手はどうなのでしょうか?
先に挙げたW杯ランキングの上位20名で
30歳を超える選手は岡部選手(11位)と葛西選手(18位)の二人だけです。
ほとんどの選手が20代前半の選手によって占められています。
では、なぜ世代交代がうまく進まなかったのでしょうか?
日本は元々、企業チームの活動が中心でした。
その企業チームが不況のあおりでジャンプチームの活動を停止する企業が相次ぎ
若手選手の受け皿がどんどん少なくなっていきました。
チームを転々とする選手も多く、来年どうなるかという不安がつきまとう中では
練習に集中することも難しいのではないでしょうか?
そして、連盟もその現状を改善する努力を怠っていたのではないでしょうか?
バンクーバーまで契約を結んでいるカリ・ユリアンティラ・ヘッドコーチは
「ヨーロッパとの大きな違いは、企業単位でトレーニングをしていること。
今後はチームとして活動していくことが重要。」と述べています。
伊東選手は「バンクーバーで日本人が光るといい。
そのうちの一人に自分がなりたいです」と言っている。
それを実現させる為にも、連盟の体制見直しをする必要があるのではないか?
日本人選手・コーチのコメント
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